出入国管理「旅券について」

パスポート
あんなに小さい書類なのに,とても大きな役割がパスポートにはあるよ。

出入国管理の実施の際に重要となる書類のひとつに「旅券」が挙げられます。「旅券」と聞くと「航空券のこと?」と思ってしまいますが,「パスポート」といった方がわかりやすいかもしれません,そもそもこの旅券というものですが,個人の国際移動がはじまった,16~17世紀につくられたといわれています。「国は国民を幸せにするために存在する」と何度か書きましたが,旅券には「この人は大切な日本の国民なので,丁重に扱ってください」と外国の政府にお願いする効果があります。国際的に「旅券とはこのような形にすべき」という決まりは有りませんが,国際慣行(今までの習慣)によって,旅行者本人のものであることが証明できるよう,氏名や性別,生年月日等の個人情報の他,偽造防止のためのホログラムやICチップなどが埋め込まれています。それだけ旅券というのは重要な書類とされています。

入国後は,この旅券は身分証明書としての役割があります。日本国内で身分証明書と聞くと,真っ先に思い浮かぶのは免許証や健康保険証,学生証等が挙げられると思います。しかしながらこれらの書類は基本的に日本語で書かれており,日本の国外では読めないだけでなく,それが本物なのかどうか現地の方にはわからないという問題点があります。そのため旅券を提示することによって自分自身の年齢や国籍を証明することになるのです。

時折,海外のスーパーマーケットで一生懸命日本の運転免許証を店員さんに見せて説明してる日本人がいますが,和暦は日本独自の年号です,あきらめましょう。

日本国内に在留する外国人の場合ですと,旅券を常に携帯していなければいけないという決まりがあります。しかしながら在留カードを持っている場合,旅券に変えて在留カードを携帯すればよいという決まりになっています。

旅券と在留カードは日本国内の外国人のかたにとってとても大切な書類です,当たり前ですが,人に貸したり,どこかに忘れたりしないようにしっかりと管理しましょう。