出入国管理の近年の動向

星空
国際化と聞くと華々しく感じるかもしれないけど,まだまだ乗り越えるべき課題もあるよ。

出入国管理法令と制度については,変化が速いとお伝えしましたが,そのかじ取りは法務大臣が行っています。そして法務大臣は日本にいる外国人の入国及び在留状況を明らかにしたうえで,「出入国管理基本計画」を数年ごとに策定し公表しています。また,出入国管理行政の現況と課題をまとめた「入管白書」を毎年刊行しています。

近年での入管行政の顕著な動きは,外国人観光客と外国人材の積極的な受入れが挙げられます。

2016年間の訪日外国人は2300万人でしたが,政府はより積極的な受入れをすすめ,2020年には4000万人,2030年には6000万人を目指しています。観光立国とは,国際交流の一面がありますが他方で,外国人観光客の消費によって経済活動を活性化するという目的もあります。

一時的な滞在者である観光客の受入れだけでなく,日本国内に居住し働く外国人労働者についても政府は積極的に受け入れをすすめています。ご存知のように,現在日本国内の高齢化は著しく,労働人口の減少が大きな社会問題となっています。政府は,この不足分の労働力を外国人労働者で補おうと考えています。まずは専門的・技術的分野の外国人材を積極的に受け入れ,専門的・技術的分野とは評価されない分野については今後の社会的需要や,日本人の雇用状況を慎重に見極めながら検討していくことになっています。

このように,人口減少,少子高齢化の解決の切り札として,外国人材の受入れは大きな期待を担っている一方で,地域社会との軋轢や,日本人の雇用状態の悪化等非常にデリケート問題をはらんでいるため,繊細な行政対応が求められています。国際化と聞くと華々しい社会のように聞こえますが,そこには多文化共生という大きな課題を内包していると認識すべきなのかもしれません。