在留というのは,外国人が日本国内に滞在することとイメージがしやすいと思います。入国と上陸の違いですが,これはまず「国境」について考えなければなりません,アメリカとカナダ,フランスとスペインのように陸続きの国の場合,国境をまたげばすぐに隣の国でわかりやすいですが,日本のような島国の場合,海外から来る方はまず,飛行機や船で日本の領空や領海に入ります。国には国境がありますが,海に囲まれている日本は国境の上に出入国を管理する施設,空港や港を設置できません。そのため,まず入国をし,目的地の空港や港に着陸や接岸する必要があります。空港や港に到着した後に入国審査官の審査をクリアし,実際に日本国内に入ること,これを上陸と法律上は規定しています。
入国して空港に着いても,ターミナルで別の便に乗り換えて別の目的地に向かうように,入国した方が必ず上陸するとは限りません。そのため入国と上陸を概念として分けることはとても大切になります。
私もはじめて海外旅行にいった際「出国審査を終えればそこは日本ではないですよ」といわれ不思議に思いました。
上陸する際には入国審査官の審査があります。ここでは,
①査証と旅券が有効であること
②在留資格に該当性があること
③基準省令に適合していること
が審査されます。もしもこの時に査証や旅券が無効だったり,在留資格の該当性や基準省令に適合していなければ,上陸を拒否され,退去を命令されます。この際,特別に上陸を許可する事情等があれば特別に上陸が許可される場合もあります。特に問題がない場合は,上陸が許可され日本に在留することとなります。
このように島国である日本は,入国→上陸→在留という手順で外国からの方々を迎え入れます。入国と上陸がわからなくなってしまった場合は,一度頭の中で日本地図を描いてみて,自分が飛行機に乗って外国から来ることを想像してみるとよいかもしれません。