なぜ人間は国を作り,国境という線引き「外国」と「国内」という見えない空間を作ってしまったのでしょうか?自由に行き来できた方が,どれほどすがすがしいか。
すみません,少し哲学的になってしまいました。
国は国として存在しますし,国境は見えなくてもそこに存在します。
そもそも「国」は「国民を幸せにするため」に存在します。「出入国管理」という制度が無いと,日本という国や,その国民に悪いことをしようとする人たちが日本に来てしまうかもしれません。そうなったら「国民を幸せにする」という国の約束が守れなくなってしまいますね。このように出入国管理には国民を守る「国防」という側面があります。
一方で,まったく外国人の方が日本に入国できないと,それはそれで国の力が落ちてしまいますね,国際化が進む中で,経済活動がその国だけで完結することはあり得ません。「国益の増進」の為にも,外国人の方々が日本で活動できる仕組みも必要ですね。
また,国際社会の中で,それぞれの国は助け合って存在しています。難民の受入れやその支援はこの「国際協力」の代表的な活動でもありますね。
このように,出入国管理は,
「国防」「国益の増進」「国際協力」の微妙なバランスの上に成り立っています。
それでは,実際どのように管理されているのでしょう。「CIQ」という言葉があります。
Customs(税関)
Immigration(出入国)
Quarantine(検疫)
それぞれ頭文字をとったもので,税関で「物」の移動を管理し,出入国で「人」の移動を管理し,検疫で「病」の移動を管理するという意味です。基本的にこの3つを管理することによって,「国防」「国益の増進」「国際協力」のバランスをとっています。もちろん,目まぐるしく変わる国際情勢によって,このバランスは日々移り変わっていきます。これが出入国管理行政の難しさであり,批判を受ける原因でもあります。
主にこのサイトでは,この3つの管理のうち,Immigration,人の国際移動について説明していきます。そして特に日本国籍を持たない,「外国人」と呼ばれる方々を取り巻くの法令や制度を説明していきたいと思います。